つむぎ流読書のすすめ:作家さん編~③森沢明夫さんパート2~

最終更新日時 : 2017/11/13
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書籍のイメージ

 

こんにちは!つむぎです。
以前、わたしは、読書が大大大好きなんです♪って書きました。
最近では、なかなか読書をする時間が取れていないのですが、それでも何とか、年末からこのブログの記事までの期間に10数冊の本を読みました。
今回ご紹介するのはその中の3冊、大好きな森沢明夫さんの「青森3部作」。

今もし、「一番好きな作家さんは?」と問われたら、わたしは迷いなく「森沢明夫さんです!」と答えます。
それほど、この方の紡がれる世界のあったかさに癒やされるから。

今回「青森3部作」は、森沢さんご自身が推奨されている順番
①津軽百年食堂
②青森ドロップキッカーズ
③ライアの祈り
で読み進めました。

「実は、森沢さんがこの順番で読み進めることを推奨されているのには、訳があったのです!」って、わたしは想ってます。(違ってたら、ごめんなさいです。)
鍵は、「百年(大森)食堂」と「桃子さん」。
単独で読まれても、それぞれが独立しているので全く問題はありませんので、ご心配なく。^^
ということで、「青森3部作」の感想などを♪

 

作品 あらすじなど 感想

「津軽百年食堂」

津軽百年食堂
小学館文庫

津軽・弘前で、百年の刻を刻む老舗蕎麦屋「大森食堂」。
明治の時代に、食堂を起こした賢治と、東京で迷いながらも、自分の生きる道を探す4代目の陽一の物語が交錯する。
父の背中に、家族の歴史に、本当は自分が何を求め、探していたのか気づく陽一。
その傍らには、七海という一緒に歩いてくれる彼女もいて。
1つの老舗食堂を舞台に綴られる、過去からのメッセージと、その想いを受け継ぎ、誠実に未来を模索するひとたち。
桜舞う津軽で、百年の刻を超えて紡がれる物語。

「今自分が存在するのは、いろんなひとの人生の物語がつながってるからなんだ!」って気づいて、感動した大好きな作品。
足が不自由でも、お母さんからの勇気の言葉に、生きる力をもらって店を起こした賢治。
父の背中に、その言葉に、本当は蕎麦屋を継ぎたかったのだと気づいた陽一。
店を守っていくことは、家族の歴史を守り、伝えていくこと。
みんな親から、大切な何かをもらい、次の時代へ受け継いでいく。
陽一くんのお姉さんである桃子さん、この作品では勘の鋭い、明るい「元気印のねえちゃん」として登場です!

「青森ドロップキッカーズ」

青森ドロップキッカーズ
小学館

いじめられっ子の中学生の宏海と、昔は仲間だったけど今は不良っぽい同級生の雄大。
そして、カーリングでリベンジを誓うアスリート姉妹の柚果と陽香。
そんな4人を結びつけたのは、カーリング。
初めはなんとなくカーリング始めた宏海と雄大も、その魅力のとりこになっていく。
いつしか毎日に希望を見つけ出し、心も強くなっていく宏海。
なんとなく不良から抜けたいと思っていた雄大の心にも変化が。
そんな宏海と雄大の頑張る姿に、柚果と陽香も一念発起。
彼らは、果たしてカーリングで何を見つけて、どこに行くのか?
青森を舞台に、青春度満載!ちょっぴりじわっ!涙!のさわやか小説。

桃子さん、今回はカーリングのリンク調整するお手伝いの役どころ。
その存在が、スパイスのように、要所要所にピリッと効いて、いい感じ♪
うん!ほんとにいい感じなんです♪
4人の活躍もさることながら、わたし的には、冒頭の「コイントス」、宏海くんのおばあちゃんの話に想わず涙。

「目に見えるモノはね、誰かに分けると、減ったり無くなったりするでしょ。でも目に見えないモノは、誰かに分けてあげれば、どんどん増えていくのよ。」

おばあちゃんが、宏海くんに託した「四ツ葉のクローバー」の想い。
多恵さん、宏海くんに想いは受け継がれてますよ。

「ライアの祈り」

ライアの祈り
小学館

八戸で眼鏡店の店長を務める桃子、バツイチ35歳。
表面上は、元気印で明るい桃子。
そんな桃子、いろんな事情から離婚をし、その離婚が原因で、恋に臆病になっている。
そんなある日、ふとしたことから、縄文時代にやたらめったら詳しい、考古学者のクマゴロウさんと知り合いに。
同じ頃、桃子ははるか昔、縄文時代の夢を頻繁に見るようになる。
現実世界でも、縄文時代の既視感を、たびたび覚えるようになる桃子。
縄文の時代に生きたライアと桃子の関係は?
そして桃子とクマゴロウさんの恋の行方は?
平成と縄文の時代がクロスしながら展開する、ファンタジックな物語。

やっときました!桃子さん!本編の主人公です!
やっぱり、明るい心の中には、悩みを抱えていたんだと納得。
現代と縄文の世界が、クロスする場面も違和感なく、それぞれの世界に入って行くことができる作品。
さて、我らが桃子さんのしあわせはいかに?
ぜひ、作品を読んでご確認くださいませ!

※ちなみに、ちょこっとだけ「大事なことほど小声でささやく」につながってます♪

 

 3部作を通して登場する、「百年(大森)食堂」と「大森桃子さん」。
「百年(大森)食堂」は「家族の系譜と家族に受け継がれる想い」を、「大森桃子さん」は「いのちの連鎖」を象徴する存在なのでは?
「3部作」を通しての裏の主役は、ひょっとすると「大森桃子さん」なのかも。
森沢さんが、「津軽百年食堂」「青森ドロップキッカーズ」「ライアの祈り」の順でと推奨されているのは、おそらく、時間軸が「大森桃子さん」の時間軸で描かれているから。
その場所にあり続ける意味、その場所で生きる意味、その場所で「いのち」をつないでいく意味。
3部作に登場する登場人物たちは、青森という土地で、それぞれの場所で、迷い、笑い、生きるための指針を見つけていく。

 

3部作を通して流れる「家族の源流ときづな」。
わたしたち、ひとりひとりが持つ、悠久の時をかけて紡がれてきた「いのちの連鎖」。
両親がいるから、わたしが存在し、その両親にはそれぞれの親がいて。
そんな風に、何世代ものいのちが大切につながってきたからこそ、今自分がこの時代・この世界に存在するという奇跡。
わたしたちがともすれば忘れがちな、「大切な家族の系譜」を想い出させてくれる、森沢明夫さんの「青森3部作」。

 

あなたがこの世に生まれ、いま生きているのは、ひとりひとりの人生が、偶然がつながって生まれた奇跡!
わたしはわたしのまわりの、あなたはあなたのまわりの人と、笑顏で毎日を、そしていのちを大切に、愛おしみながら生きていくしあわせ。
わたしはこれらの作品から、そんな「当たり前の日々のなかにあるしあわせ」に、想いをはせる時間をもらいました♪森沢さん、感謝です♪

 

ハートフルなお人柄が感じられる、森沢さんのオフィシャルブログはこちらから\(^0^)/
森沢明夫 official blog あおぞら落書帳

これまでに読了した森沢明夫さんの作品についての感想は、下記の記事に紹介しています。
よかったら、お立ち寄りくださいませ♪ヽ(^-^ )
つむぎ流読書のすすめ:作家さん編~①森沢明夫さん~

 

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